Tableau Prep 2023.3 新機能|複数行の計算が使いやすくなりました!
2023年10月に、Tableau 2023.3がリリースされました。本記事では、Tableau Prepの新機能について触れたいと思います。
これまで、Tableau Prepでの複数行の集計や計算には少し物足りない部分もあったかと思います。2023.3では、そんな課題に対応し「下を埋める機能」と「累積計算」ができるようになりました!
下を埋める機能
例えば以下のようなExcelデータを分析したいケースはあると思います。
このデータをそのままTableau Prepに取り込んだ場合、Nullになってしまいます。このままでは正しい集計ができないため、Null部分は正しい区分名を入力する必要があります。
下を埋める機能の利用手順
- この機能は、並べ替えた項目順に沿って計算を行いますので、まずデータの取り込み順となる
Source Row Number
の取り込みを有効にします
- クリーニングステップを追加し、Nullを埋めたいカラムから『下を埋める』計算フィールドを作成する
- 計算のロジックを設定します。結果で確認できる通りに、Nullが置換されていました
- グループ化:項目ごとにグルーピングして処理をしたい場合に選択
- 並べ替え:ここで選択した並べ替え順の方向に沿って処理を行う
- 次の方法で計算:Nullを埋めたい列を選択
- この方法で、抜けてしまったデータを正しく埋めて分析できる形になりました
累積計算
表計算機能である累積計算がPrepでも出来るようになりました。今回のアップデートで使えるようになった関数は以下の通り
- RUNNING_SUM()
- RUNNING_AVG()
- LAST_VALUE()
ビジュアル計算エディターから計算する方法
- クリーニングステップから、計算を行いたいカラムから『計算の実行』計算フィールドを作成する
- 計算のロジックを設定します。結果の列を選択すると、累計計算している範囲を確認できます
- 並べ変え:必須で必要になるので、任意の列を指定
- 次の方法で計算:計算を行う列を選択
- 計算の実行では、累積合計/累積平均のいずれかを選択できます
計算エディタから計算する方法
- 計算フィールドの作成から、計算エディタを開きます
- 計算エディタ内で、任意の累計計算を記述します
- ビジュアル計算エディタの結果と同一の結果を得ることができました!
- なお、前述した下を埋める機能もこの計算エディタからLAST_VALUE()関数を使用することで実現できます
さいごに
いかがでしたでしょうか。Tableau Prepも便利な機能が増えてきて、より業務に活かしやすくなってきたのではないかと思いますので、是非活用してみてください。